どうも、らいくです。

私がこうして「発信」の世界に戻ってきた理由は、
実際の投資家と対面して会って話したところで、
そこまで大きく得られるものはないというひとつの結論が出たからです。

そして私が「足」を使って投資をし始めて、
だいたい2年が経過したとき、
投資人生最大の損失を叩くことになりました。

その案件は「4年間」続いていた優良な案件でした。

毎月だいたい月利7%~11%を叩き出し、
私自身も8.000万円以上はこの案件から稼ぐことができました。

しかし忘れもしない、去年の9月30日。

運用を任せているパートナーから電話がかかってきました。

「すみません、今月の結果なのですが..」

今までに聞いたことがないぐらいのか細い声でした。

「もしかして、負けた?」

今まで4年間この投資を行ってきて、負けたのは一回だけでした。
それもマイナスに換算するとわずか-1.5%です。

「はい..」

重く苦しい沈黙が辺りを包みます。

そのとき私は、感覚的に尋常じゃないくらい負けたのか、
もしくはすべての資金が溶けたと直感的に判断しました。

「実は…」

彼の言葉をすべて聞く前に、
私は凍り付いたことをよく覚えています。

私自身の損失は-7.000万円程度と、
ここに預けていた資金がほぼ消滅しただけと、
痛いなりに笑えば済むことですが..

何年も続いているこの運用を他人に勧めた結果、
その損失額の合計は「ほぼ-3億円」が確定しました。

いつもお世話になっているクライアントや、

私の芽が出ないときから世話になっている
ビジネスの先輩。

投資家として切磋琢磨している仲間に、
この案件を勧めていました。

そういった私に信頼をしてくれている人たちに、

「資金のほぼすべて -94% が溶けてしまった..」

人から預かっている資金、
3億円を溶かした事実に私は嗚咽しました。

このとき始めて、人から預かるお金の怖さを知りました。

ある意味で「足」を使った投資活動を、
いったん中断しないといけないと思ったのも、
この「大損失」があったからなのかもしれません。

3ヶ月間かけて、私を信頼してくれてお金を預けた人たち、
全員に土下座をして謝りに行きました。

お金持ちは「気前がいい」という逸話がありますが、
そんなものはまやかしであり幻想です。

私は借金をしたことがあるので、
借金取りの「粘着質」的な言動や取り立ては今でも覚えていますが、

彼らに損失を伝えたときの「目」は..
あの借金取りとまったく同じでした。

私のことをゴミのような目で見て、

「お前とはもう縁を切る、一生俺の前に姿を現すな」

「元本を返すまでどこまでも追いかけるからな!」

「投資家なんて名乗るんじゃねぇよ、このクソ詐欺師が」

「死ね、お前はこの世に生きている価値はない」

「お金が全額返すまで、毎日家に押しかけるからな」

正直言って、ここにはとても書けないようなことも言われました。

この損失で3億円という金額は、

私の総資産をすべて投げ打てば用意できなくはない金額です。

ただそれは「絶対にできない」行為でした。

それをしたら、文字通り素寒貧になります。

確かに私が案件を勧めたのは事実です。

ですが元本保証の話は一切していないし、
投資なのですからリスクは必ずあるし、
資金をすべて失う可能性はあると言う説明はしているのです。

投資家にとって「お金は命の弾丸です」

確かに彼らのいいなりになって、
お金を返す道というのが、
誠意という意味では正解なのでしょう。

でもそれだけは、できませんでした。

理由は、、

「それをしたら、私の投資家としての道が完全に絶たれるからです」

だから苦渋の想いで、涙を流しながら罵声を浴び続け、

ただひたすらに土下座をすることしかできなかったのです。

個人的に「本当にお世話になっている人」たちにだけは、
すぐに損失を返済しました。

その金額は-8.000万円です。

ですので、一夜にして自分の損失-7.000万円に加えて、
これだけは返さないといけない-8.000万円をカバーしたので、
1億5,000万円を、たった一日で失ったことになりました。

それを失っても、なんとか一生働いて稼ぐレベルの生涯賃金を
守り通すことができたのは、ひとえに私が分散投資をしていたからです。

この資金がなかったら、私はおそらく「飛んで」いたでしょう。

もし仮に、4年続いているからと、
この案件にフル・ベット(すべての投資資金を投下)していたら、
それこそもう、完全に投資家としては立ち直れなかったでしょう。

借金で首が回らなくなって、夜逃げする人の気持ちや、

あまりにもどうにもならない負債で、
命を落とす人の気持ちがわかりました。

私自身がこうむった損失の中で、

これは歴史に刻まれるほどの大事件でした。

人はこんなにも無気力になって、

人はこんなにも憎しみをぶつけてくるんだなと、

お金の怖さを、本当の意味で知った一日です。

あまりにも信じられない事実に対して、

涙をからっぽにしながら訴えました。

「投資は本当に、大変な、こと、なんだ」

お金を増やし続けることの難しさと、

お金を失う本当の恐怖を知りました。

正直なところ、この一件のおかげで、
投資家を引退しようと思った瞬間もありました。

そのぐらいの厳しい一日だったのです。

自分の会社もあるし、別に無収入じゃないんだし、
貯えがないわけじゃあない。

投資家なんてこのへんですっぱりやめて、
どこか山奥に家でも建てて、第二の人生を満喫しようか..

そのぐらい追い詰められていたのです。

FXトレードだけをやっていたときは、

失うのは自分のお金だけでした。

いくら損失を叩いても、自分自身で
マイナスをコントロールすることができました。

その居心地のいいフィールドを飛び出して、
投資家として活動をし始めた途端に、

「自分の資産と、他人の資金まで溶かしてしまう」

ということが現実に叩きつけられました。

もしかしたらあなたは、

「お前が紹介したんだから、お前が責任を取るのは当たり前だ」

そう思われた方も、いるかもしれません。

でも私は、それはできませんでした。

正直なところ、-8.000万円を補填するのも、
断腸の想いで自分の資金を使いました。

今でもこの補填はまったく納得していません。
一生会わなくて、音信不通にして
この資金は自分の懐にしまおうか何度も考えました。

投資家にとってお金は、時に命よりも重いのです。

8.000万円といわゆる信頼を天秤にかけたとき、
本音を言うと、その人たちとの「関係性」に
私は8000万円以上の価値を見出すことはできませんでした。

それでも返済したのは、一応の恩返しみたいなものです。

この返済した人たちから得た関係からの利益は、
正直言って生涯レベルだとおそらく何億というレベルです。

なのでトータルでは利益が出ているからまあいいかという、
単純な損得計算に基づいたものです。

ただ悲しいのは、その人に返済したのが「恩」というよりも、
数字をはじいた利益の上回りで返済したのは、
個人的に自分以外の他人がさらに嫌いになった一因ですね。

やっぱ俺は、自分の力ひとつで生きていこう。

またゼロからの気持ちに立ち戻って、投資家を再開しよう。

そう感じる出来事でした。

親友にこの話をしたらお前は完全に馬鹿でお人よしだ、
俺だったら絶対に1円も返さないと怒られました。

資金があるから返すのが当たり前、という、
あまりにも軽い言葉を言えるのは、
それはきっと、自分が投資家ではないからです。

ですから、私の投資家としてのレベルは、
ここでまた「振り出し」に戻りました。

(この返済と損失がなかったらあと少しで5億円の資産があったので)

今ならなんとなくわかりますが、
これはおそらく「投資を舐めるなよ」

という天からのメッセージだったのかもしれません。

いつか、引退した人から言われた言葉で、

「君がもし投資家を本気で目指すなら、
何があってもまず先に生涯賃金分の金額を確保しなさい」

「そしてその資金は、何があっても手をつけたらダメだ」

「どれだけ損失を出しても、
どんなに返済をせまられても、その資金はないものと思いなさい」

「その資金に1円でも手をつけたとき、
君は投資家ではなくなるよ」

私はこの金言を、頑なに守りました。

ですからある意味では、私のお金は0になったのと一緒。

そういう気持ちで、今新たに投資家の道を歩んでいます。

私がまだ駆け出しの投資家のたまごだったとき、
40代の投資家の先生は、
いつも私に小間使いのようなことをやらせていました。

床の雑巾かけ、窓の掃除、お茶組み、料理の買い出し、
子供の世話、おむつの取り換え..

もっと現場で使えるノウハウを吸収したくて、
傍にいさせてくださいと頼んだのは私でした。

でもいったい俺はここで何をしているんだろう…

毎日、そう思っていました。

でも彼は、私に愚痴を一切言いませんでした。

どれだけ大きく負けても「怒り」というものを、
家族や私にまったくぶつけなかったのです。

むしろ、彼が負けたときには私がイライラする始末でした。

今になって思えば、先生は私に、
投資に失敗したときの感情のコントロールを、
教えたかったのかもしれません。

4年続いていた案件で、大損失を叩き出して、
冷静さを完全に失って、自分の大切な資金を..

本当にすべて失うところでした。

大げさでもなんでもなく、
この先生と過ごした時間がなければ、
私は投資した人間の言われるがままになっていたでしょう。

そうしてすべての資金(3億)を投げ出して、
返済に使ってしまっていたでしょう。

並の神経では、取り立てに耐えられないからです。

このとき私は、先生に電話をしました。

もうあの小間使い生活から、10年以上はたっています。

事情を何も知らない先生は、
ワンコールで出てくださって、涙を流す私に一言。

「最後の資金は、守れたんだな」

私は小さく、頷きました。

この先何が起こっても、

私がサラリーマン生活を50年続けたところで、
得られないであろう資金だけは..

絶対に守り抜く、それが投資家としての責務だと思いました。

投資家で私を守ってくれる人は、
誰一人としていなかったですが、
先生だけは、私のことを影ながら応援してくれていました。

私がこうして投資家としてまた活動をしようと、
決意新たにできたのも、先生のおかげです。

これは先生の息子から聞いた話なのですが、

「父も昔、らいくさんのように案件を人に勧めて、
十数億規模の損失を出したことがあるんです」

当たり前のように元本を保証しろだとか、
連日家に押しかけてくる
しょぼい投資家の人間たちを見ていました。

「父に資産があることは知っていましたが、
その資金にだけは、絶対に手をつけなかったんです」

「僕たちのことを守ると同時に、
それ以上に『最後の資金』にだけは手をつけなかったのです」

そんなことを語ってくれました。

私ははっきり言って、先生ほどの器はまだありません。

ですがそれでも、あなたに伝えられることは
あるはずだと思い、投資家をリスタートしました。

私が今も、会社をしっかりと経営して、
FXのトレードを繰り返し続け、
ひたすらにチャートと向き合って検証を続け..

毎週の土日は家族サービスをし終わった夜から、
競馬の検証データを膨大に回して..

成功している案件はつぶさにデータをとって、
最大のチャンスに突き進んでいる..

朝は5~6時に起きて、よりよい投資や、
収益を得るために活動をしています。

今考えてみると、去年の年末のあの大損失を出したときが、

「ようやく本格的な、投資家としてのスタートを切れたのかもしれない」

と、思っています。

単に引退できるだけの資産を片手に、
悠々と片手間に投資を続けて、不労収入を得る。

確かにそれは理想的な投資家の姿なのかもしれませんが、
間違いなく、先生のような胆力は身についていなかったでしょう。

投資って、これを聞くとものすごく怖いものに見えますが、
あなたにここまでの領域にこいとはもちろん言いません。

私は一応これでも、職業が投資家ですから、
こういう世界もあるんだよということを、
一応「生」の世界ということでお伝えさせて頂きました。

実際ある程度投資で成功をすれば、

・思い立ったときに海外のファーストクラスで旅に出たり、

・妻と最高級の食事を楽しむことができたり、

・子供たちが欲しいものをなんでも買ってあげられたり、

・両親に親孝行もできるようになります。

・何より時間が圧倒的に自由ですから、好きなことも好きな時にできます。

・会社に雇われずに済みますから、自分が本当にやりたい仕事ができます。

・昔、興味のあった趣味を即日始めることも可能です。

・100万円単位のものなら、値札を見ないで買い物することができます。

ある程度、投資で成功をすればこういう状態になります。

何よりも毎日が楽しくて、

私の場合は娘のそばにいられることが幸せでした。

息子が生まれたばかりのときは、
まだ全然成功していなかったときですからね..

私はずっと「誰かを守れる投資家」になりたかったのだと思います。

単に責任転嫁してくる「クソな投資家」ではなくて、
私を見守ってくれていた先生のような、
本当に心からしびれる投資家に、なりたかったのだと。

単にお金だけを稼ぐ成金のような投資家ではない。

ただ数字だけを追いかける、無機質な投資家ではない。

人に責任をなすりつける、ださい投資家でもない。

「本物の投資力」が欲しかったのだと。

私がずっと昔に、楽して投資で稼ぎたいと思っていたとき、

「その先」を考えることが面倒で、

自分で思考することを放棄していました。

その先とは、

投資で得たお金で何をするだとか、

投資で成功して、こういうことをやりたいとか。

もっと言ってしまえば「お金以外の側面」です。

でも最初はなかなかどうして、
そういう部分には目がいかないのです。

なんとなく、

・あと月に10万円増えればラッキーだな
・自分で何もしないで不労所得があればいいよな

とか、思ってしまうのです。

私が「投資家としてのマインドセット」を、

物語創造館で作成しているのも、そういう部分からです。

そしてそれらは、仕事や日常でも使えるように、
仮にあなたが投資家を目指さなくても、
使えるように作っているつもりです。

もしあなたがこういった部分を疎かにしてしまえば、
私までの失敗とは言わずとも、必ず致命的な失敗をします。

単に「お金だけ」を稼げる投資って、実はなんの意味もありません。

昔の私と同じように、お金だけを追い求めている人に、
「投資の楽しさ」を知ってもらって、
投資で開ける世界を広げてもらいたい。

そう心から強く思っています。

あなたも、

「誰かを守れる、強く優しい投資家になりませんか?」

らいくの戯言:編集後記

――汚物まみれの男の再出発――

この1億5.000万円の損失を出した次の朝、
瞬間でこの損失の重さを思い出して吐きました。

ゲロまみれでひどい顔をしている私に向かって、
娘はサっとハンカチを持ってきてくれて、

「私はパパに何があっても味方するし大好きだよ」

そう言われました、まだ小学1年生なのに。

涙を流しながら、笑いました。

はるか昔に、借金2,000万円で樹海にまでいって、
死にかけた俺とは違うんだ。

と、生気が本当の意味で戻ってきたのは、
沖縄に傷心旅行へ7日間逃避してからなのですが..

それでも娘からのエールは心に沁みました。

そういえば投資家として足を使っていたとき、
険しい顔をしてばかりで、
最後に笑ったのはいつだろうと感じたのです。

あなたはくれぐれも私みたいな、
投資家にはならないようにしてください。

どれだけ仕事が苦しくても、

どんなにやっていることが辛くても、

どれだけ対価が安かったとしても..

最後の最後に、笑えばいいんです。

最大のピンチに笑える男になりたい。

ゲロまみれでそう決意した俺でありました。